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平成で変わった司法制度 

 

1 司法制度改革について

平成11年7月に「司法制度改革審議会」が設置され,平成13年6月に司法制度改革審議会意見書を取りまとめました。この中で①国民の期待に応える司法制度,②司法制度を支える法曹の在り方,③国民的基盤の確立という三つの柱をかかげ,様々な変更を行っていくことが提案されました。
そして,政府は,平成13年12月に司法制度改革推進本部を設置し,平成14年3月に司法制度改革推進法に基づく司法制度改革推進計画を閣議決定し,様々な法律が国会で成立しました(参照:「司法制度改革について」
 
 小難しい説明を挟みましたが,以下,司法制度改革で変わったことを振り返って,私の雑感を述べたいと思います。
 

2 裁判員裁判制度

平成21年5月に裁判員制度がスタートしました。
裁判員裁判制度は,皆さんにもその名称は広く知られていると思いますが,スタートして10年も経ちます。


私が学生の頃にスタートした制度で,新潟地方裁判所には急いで裁判員裁判に対応できる法廷(テレビ画面等が設置されていたり,裁判員が全員着席できるような席があったり,傍聴席がたくさんあったり。)を新築しました。

 

裁判員裁判がスタートしたころ,裁判官,検察官,弁護士それぞれが苦労されたようです。

 

これまでは裁判官という,いわば同業に対して検察官と弁護士が審理を求める裁判だったものが,突然一般の方が審理に加わるわけですから,専門用語を使ってはいけないとか,わかりやすい説明をしなければならないとか,いろんなことが言われました。

 

当時,アナウンススクールの講師を招いて弁護士会がセミナーを受けている様子が,ニュースで報道されてたこともありました。


裁判員裁判は,国民の感覚を反映させるという目的があります。おそらくは,刑事裁判の判決が報道されると「なんでこんなに刑が軽いんだ!」と率直に思う方が多いというのは,立法の背景にあるんだと思います。

しかし,裁判員裁判は,重大な事件を審理するもので,たとえば殺人や強盗事件を扱わなければならず,はたして一般人の感覚というものを反映させるのが適当なのか,と思わざるを得ないところはあります。

日常的に殺人事件などを何らかの形で経験している人など,極めて稀有な存在なわけです。
むしろ,高齢者の万引きなど,日常的にありうるような犯罪を対象にしたらよいのではないかというのは,率直に思います。


また,殺人事件等は証拠の数も多くなり,審理のための時間も膨大になり,裁判員の日常生活に負担という面もあります。

法曹関係者はこの制度の維持発展に向けて努力はしていますが,このまま維持するのがいいのかどうか・・疑問は残ります。
 

3 司法試験制度

もともとの司法試験制度がどのようにスタートして,どのような変遷をたどってきたのかという点をお話しすると長くなってしまうので,平成以降ということでご容赦ください。


かつての司法試験は,①短答式試験,②論文式試験,③口述試験の3つで構成されていました。
①短答式というのは,センター試験のような選択式の問題とお考え下さい。
③は試験官と直接口頭でやり取りをするというものでした。


この②の論文式試験には,憲法,民法,商法及び刑法は必須とされていて,民事訴訟法と刑事訴訟法はいずれか1つを受験すればよいとされていました。
他に,法律選択科目として,破産法や労働法,刑事政策等から1つを選択する必要がありました。さらには,教養選択科目として,政治学や心理学等の7科目から1つを選択して受験しなければならないとされていました。

法律的な知識だけではなかったわけですね。


この受験科目が,平成4年頃から徐々に変化し始めました。まず教養選択科目が廃止され,次に,法律選択科目が廃止となりました。また,民事訴訟法と刑事訴訟法は選択制でしたが,どちらも必ず受験しなければならないとされました。


そして,平成18年,法科大学院制度がスタートしたことにより,「新司法試験」となりました。といっても,法科大学院を卒業していない人もいるわけで,これまでの司法試験が「旧司法試験」として併存することになりました。ここは複雑でわかりにくいところですよね。


なお,この法科大学院というのは,2~3年の課程を履修することで,司法試験の受験資格が得られるという専門職大学院のことです。
これまでは誰でも司法試験を受験することができたのですが,アメリカのように大学院を通らなければならなくなりました(この点は「予備試験」という制度が始まったことによって変化していますので,詳細は割愛)。


司法試験の受験内容もかわりました。


まず,口述試験がなくなりました。
また,論文試験の科目も,六法(憲法,民法,刑法,商法,民事訴訟法,刑事訴訟法)に加え,行政法がはいりました。
また,選択科目として,労働法や倒産法,租税法,知的財産法等から1つを選択しなければなりません。

つまり,8科目のイメージです(厳密には,公法系,民事系,刑事系,選択科目の「4科目8法分野」と表現されます。)。
 

そして,この科目内容は現在でも変化しておりますので,実際に受験される方等は法務省のHPをご確認ください。
 

4 法テラス制度

正式名称は「日本司法支援センター」といいます。
法律に基づいてつくられた準独立行政法人という形態とのことです。裁判などの司法手続きに一般市民がアクセスしにくいという批判がかつてからあったため設立されました。


おそらく一番知られている業務が,民事法律扶助という業務です。
経済的な事情から弁護士に依頼することが難しいという場合に,法テラスが弁護士の費用を立て替えて支払い,依頼者は法テラスに5,000円~10,000円程度を毎月分割して支払うという仕組みです。


生活保護を受給している者には弁護士費用の償還を免除するなどの対応がとられており,司法へのアクセスを容易にするという意味で,社会における一定の有用性があるとは思っています。

 

ただ,いろいろと審査や条件が厳しく,かなり批判されているところがあります。特にTwitterなどの弁護士がSNSで意見を述べているところでは,厳しめの意見が散見されます。稀に,弁護士がボランティア的に法テラスを使わなければならない場合にもかかわらず,弁護士の苦労等がまったく反映されないこともあります。

 

まだまだ法テラスの制度(特に民事扶助)を改善していかなければ,弁護士にとっても,また国民にとっても使いやすい制度とは言えないのではないかと思うところです。
 

5 さいごに

以上,平成の司法制度改革の一部をご紹介し,平成最後の弁護士コラムとさせていただきます(執筆 2019年4月29日 弁護士 五十嵐 勇)。


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