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2019年6月発行

・SNSと雇用管理について
・弁護士五十嵐勇の近況報告!

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弁護士法人美咲総合法律税務事務所では、法務・税務関連のニュースや弊事務所の近況などを、ニュースレターとして不定期にお送りさせていただいております。


さて、21回目の今回は『SNSと雇用管理』について、法律的な問題点などを取り上げます。

 

SNSと雇用管理について

SNSと雇用管理

いまやどの世代もスマホやパソコンを保有し、メールやチャットだけでなくSNSを利用しています。このような背景の中、従業員が就労先等において撮影した適切な動画や画像をSNSに投稿するという、いわゆる「バイトテロ」「バカッター」等の問題が後を絶ちません。


2019年に入ってからも、大手牛チェーン店、コンビニ、すしチェーン店の従業員が、食品や調理器具を不衛生に取り扱う不適切な動画をSNSにあげたということが話題となり、テレビのニュースなどでも報道されました。

 

SNSでは、簡単に画像や動画をインターネット上にアップすることができますが、その半面、一度投稿された画像や動画を簡単に他者が共有することができます。そのため、ものすごい速度でインターネットの世界で画像等が拡散し、「こんな投稿はおかしい」という批判的コメント等が殺到するという「炎上」という状態に至るわけです。その拡散される過程で、氏名、出身校、他の顔写真、その従業員がどの会社に所属しているのかといった情報が特定されていきます。
 

ひとたびこのような不適切投稿が騒動になると、会社に対するダメージも非常に大きく、企業の存立そのものに影響を与えます。
 

それでは、このような不適切投稿があった場合、会社としてはどのような対応が考えられるのでしょうか。
 

懲戒処分

まず、当該不適切な投稿をした従業員に対して懲戒処分を行うことが考えられます。その前提として、当該不適切な投稿をした主体が当該従業員であることを確定させる必要があります。また、懲戒処分を行うためには、懲戒事由として定まっていることが必要です。例えば「SNSによる投稿等により、会社に対する信用失墜や損害を生じさせたこと」等を就業規則に盛り込むことが重要です。
 

当然のことながら、何か不適切な投稿があった場合、全ての事案で懲戒解雇ができるわけではありません。どのような内容の投稿だったのか、会社に対する影響がどの程度のものなのか、業務時間内の行為だったのか等様々な事情を検討しなければなりません。
 

損害賠償請求

会社に損害が生じた場合、その損害の賠償請求をすることも考えられます。
 

例えば、飲食店で店内の冷蔵庫に入るという画像や動画を投稿し、それが拡散して店舗を休業せざるを得なくなったという場合、店舗の休業期間中の売上減少分、清掃費、無駄となった食材の廃棄等に要した費用が「損害」に該当すると思われます。
 

重要な点は、会社に損害が生じたのか、その不適切な投稿と損害との間に因果関係があるのかというところです。
 

例えば、上場企業のある店舗において不適切な動画が投稿されて、翌日の株価が下落した場合、この下落幅が全て損害かといわれると、必ずしもそうとは言い切れません。株価は日々変動するものであり、不適切投稿と下落との間にどの程度の関連性があるのか簡単には判断できないからです。また、不適切な投稿が広まったとしても、例えば売上の減少がないというような場合、会社の「損害」というものを数量的に計算することが困難です。
 

このように、不適切な投稿があった全てのケースで「損害」賠償請求ができるわけではないのです。
 

刑事告訴

例えば、さきほど述べたような飲食店の従業員が就労先の冷蔵庫内に入っている画像や動画を投稿し、それが炎上し、会社にクレームが殺到したという場合、会社を被害者として威力業務妨害罪(刑法234条)に該当しうるものであって、刑事告訴をすることが考えられます。
 

ほかには、飲食店で、不衛生な食材をわざと使って調理をしている動画を投稿したような場合、偽計業務妨害罪や信用棄損罪、器物損壊罪等に該当する可能性があります。
 

事前の対策が重要!

以上では、一度バイトテロが発生した場合の従業員への対応等を書きましたが、重要なのは事前の対策です。
 

近年、SNSの利用に関する誓約書やガイドラインを作成する企業も増えています。このような誓約書等を作成することによって、従業員に対するSNSの危険性を喚起するというものです。
 

また、SNSに関する研修を実施する企業や学校も増えています。数年前、姫路市の市役所職員が税務情報が記載されている申告書が写った写真をSNSに投稿したという事件がありましたが、情報漏洩に関する危機感が欠如していたものと思わざるを得ません。このような事態を防ぐには、定期的にSNSの危険性を再認識させるような研修を実施することは重要です。
 

私はSNSに関する講演を行うことが多いのですが、特に専門学校や高校の先生方からのご依頼が増加しています。若い段階からきちんと教育していく必要性が高まっているといえます。
 

企業の方からの講演のご依頼も大歓迎ですので、いつでもご相談ください。
 

弁護士五十嵐勇の近況報告

 BSNラジオ「ゆうなび」に引き続き出ています!(不定期)

昨年に引き続き、BSNラジオ「ゆうなび」に不定期で出ています。ほとんど台本がないのですが、パーソナリティの小野沢裕子さんにいつも助けられ、なんとか事故なく今日に至ります。緊張して早口になることもままありますが、そこは御愛嬌ということで。
 

次回は2019年6月25日に出る予定ですので、ぜひお仕事の合間などにお聴きください。
 

113

昨年4月から本格的にゴルフを始め、8月のコースデビューで144のスコアでした。
そして、現時点のベストスコアは113です。まだまだ練習が足りません。

特にティーショットの不安定さ(スライスしてOB、チョロなど)、パット数が3、4になってしまうところが大きな改善点です。

通販で自宅に置けるパターマットを買ったはいいのですが、なかなかうまくなりません・・・。
やはり実際にコースにでて経験値を増やすことが重要ですね。
 

今年はラウンドする回数を増やして、早く100を切りたいと思います。
 

編集後記

もう2019年のうち半分が経過しました。
10連休や改元というイベントもありましたが、それにしても時が過ぎるのは早いですね。

 

私は夏が大好きで、「1年中夏だったらいいのにな」と毎年思います。
寒いのが苦手なんですよね。

夏は早朝からゴルフができるところもよいです。最近友人と午前4時台からラウンドをスタートするのですが、朝8時には終了するので、とても気持ち良い朝を迎えることができます。

もうすぐ枝豆がおいしい季節です。枝豆とビールで最高の乾杯できるよう、仕事もゴルフも全力で楽しんでいこうと思います。(弁護士 五十嵐 勇)

 

Misaki Newsletter のご紹介


ここでは、当事務所が不定期で発行している「Misaki Newsletter」をご紹介しています。


当事務所で発刊したニュースレターのバックナンバーです。ぜひご覧下さい。

Vol. 発刊月 メインテーマ
31 2022年1月 2022年に実施される法律
30 2021年6月 事業承継について考える
29 2021年1月 ウィズコロナ時代の労務管理のポイント
28 2020年9月 まだ間に合う、新型コロナ関連の給付金・補助金等
27 2020年6月 インターネット・名誉棄損・コロナ・懲戒・プライバシー
26 2020年4月 新型コロナウイルスに関する労務問題Q&A
25 2020年2月 事業承継について
24 2019年12月 パワハラ防止対策について
23 2019年10月 契約書作成のポイント
22 2019年8月 受動喫煙防止を内容とする法律の改正について
21 2019年6月 SNSと雇用管理について
20 2019年4月 年次有給休暇付与の義務化について
19 2019年2月 勾留延長?準抗告?保釈って?
18 2018年12月 働き関連法の概要
17 2018年10月 その「懲戒処分」、大丈夫ですか?
16 2018年8月 成人年齢引き下げ(18歳)について
15 2018年6月 交通事故(物損)Q&A
14 2018年4月 民法(相続分野)改正
13 2018年2月 債権回収の進め方
12 2017年12月 「経営者保障に関するガイドライン」とは?
11 2017年10月 民法(債権分野)改正
10 2017年8月 残業時間に関する規制の概要
9 2017年6月 個人情報保護法改正ー中小企業実務への影響
8 2017年4月 相続の基本と相続Q&A
7 2017年2月 従業員の交通事故に対する会社の責任
6 2016年12月 成年後見制度について
5 2016年10月 職場のメンタルヘルス対策,大丈夫ですか?
4 2016年8月 刑事手続きの流れ
3 2016年6月 離婚問題について
2 2016年4月 遺言を残すにはメリットがあります
1 2016年2月 これだけは知っておきたい!交通事故の注意点!

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