交通事故は毎日どこかで発生していますが、注意をしていても交通事故は突然起きてしまうものです。交通事故被害にあったとき、あまり知られていない気をつけなければならない注意点があります。それは、保険会社から提示される損害賠償金が妥当でないケースがほとんどで、弁護士が交渉することでほとんど賠償額が増額されるということです。
● 賠償額には3つの基準がある!
損害賠償金の計算においては、自賠責の基準、任意保険会社の基準、裁判所の基準の3つの基準があるのですが、保険会社は3つの基準のうち、賠償金額が低くなる基準を使って計算をしており、弁護士が交渉することで、本来得られた適正な賠償金を獲得することができるのです。
①自賠責保険の基準
自賠責保険は、車を所有する際に全ての方が加入する必要がある保険で,あくまで被害者の最低補償を目的として作られた保険です。そのため自賠責保険の基準を使って賠償額を計算すると3つの基準の中で最も低額になります。
②任意保険の基準
任意保険は、自賠責保険とは異なり加入義務はない保険です。任意保険の基準は一般的に自賠責保険よりも高いですが、裁判所の基準よりも低額になります。
③裁判の基準
裁判の基準とは、過去の判例を踏まえ裁判所と弁護士会が作成した基準です。裁判の基準で賠償金を計算した場合、ほとんどの場合で自賠責保険の基準や任意保険の基準を元に計算した金額よりも高額になります。
●もし交通事故に遭ったら・・
所長弁護士宮本(みやもと)裕将(ひろまさ) をご紹介いたします!
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略歴 昭和30年に新潟県三条市にて生まれる。
新潟県立三条高等学校,早稲田大学法学部を卒業後,昭和53年に司法研修所に入所。昭和55年には裁判所判事補に任官し,東京地裁・新潟地裁民事部にて勤務。その後,昭和56年に弁護士となる。昭和61年に新潟市中央区西堀通りにて「宮本裕将法律事務所」設立。平成8年に税理士登録をし,現在は弁護士・税理士として活動している。
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弁護士宮本裕将 Q&A
Q. 裁判官としてスタートし,その後,弁護士になった理由は何ですか?
A.まず私が裁判官になろうと思ったのは,紛争を最終的に判断し解決するのが裁判官なので,その仕事に魅力を感じたからです。また,司法修習の時には,新潟水俣病第一次訴訟を担当された佐藤歳二裁判官から熱心に指導受けたことも理由の一つです。
裁判官に任官して,最初は東京地方裁判所研鑽部という部署に配属され,後に最高裁判所長官になられた山口繁裁判官や同じく最高裁判所判事になられた上田豊三裁判官に指導を受けました。非常に思い出に残っています。その後,新潟地方裁判所に配属になったのですが,その時に仮処分の事件を担当しました。建物の借主が家を壊したというので,貸主が建物の明渡しと共に,仮処分を申し立ててきたのです。当事者から話を聞いてみると,その借主は親の代からその建物を借りて商売をがんばっていたという方でした。建物に雨漏りがあるからといって貸主に修繕を求めたのに修繕してもらえず,それならばということで自分で建物を立て直そうとして壊してしまったんですね。借りている物を壊せば契約に違反するわけですから,貸主が明渡しを求めてくるのは当然です。とはいえ,その借主の方は,これまでがんばって商売を続けていて,しかも修繕しなかったのは貸主だと。もし弁護士が早めに入って,うまく交渉していればこんな明渡しを求められることは無かったのに,と思いました。裁判官は中立でなければなりませんから,当事者の一方に同情したとしても,片方の当事者に過度に肩入れすることはできません。そのような経験から,逆に弁護士の仕事に魅力を感じたこともありました。その後,実家の事情等もあり,裁判官を退官し,弁護士となりました。
Q. 事務所としてのコンセプトは何ですか?
A.もともと,自分が弁護士になったらワンストップサービスを実現したいと思っていましたので,登記についても対応できる体制を整えました。また,税務のことにも興味がありましたし,税務の仕事はお客さんと接点が非常に多くありますので,20年ほど前に税理士登録をし,他の税理士1名及びベテラン職員も含めた数名の税務部門職員とともに多数の関与先様の税務・会計業務を行っています。法律事務所としては,事務員をパラリーガルとして育成し,早いうちから組織づくりを行ってきました。
編集後記
記念すべきニュースレター創刊号の編集を担当させていただきました。所長宮本に弁護士になった理由をインタビューしたのですが,考えてみると,所長からこのような話をじっくり聞くのはあまりなかったことです。紙面の関係で割愛しましたが,高校時代や大学時代の話,弁護士になったとき最初に入所した事務所のことなど,まさに「人に歴史あり」といったところで,私にとっても有意義なインタビューとなりました。ぜひ今後も弊事務所と「Misaki Newsletter」をよろしくお願い致します。(弁護士 五十嵐 勇)