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Misaki Newsletter のご紹介


ここでは,当事務所が不定期で発行している「Misaki Newsletter」をご紹介しています。


2017年8月発行

・残業時間に関する規制の概要
・残業代に関するQ&A
※pdf版をご覧になられたい方はこちらか下記の写真をクリックしてください。


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弁護士法人美咲総合法律税務事務所では,法務・税務関連のニュースや弊事務所の近況などを,ニュースレターとして不定期にお送りさせていただいております。

さて,10回目の今回は,残業時間上限規制の動きの概要,固定残業代についての解説などをお伝えいたします。
 

残業時間に関する規制の概要

 

● 現行の残業時間に関する法規制


労働基準法には,使用者は1日8時間,週40時間を超えて労働させてはならないと定められています。しかし,繁忙期等,業務を遂行する上で,上記時間を超えて残業を行わければならない必要が生じる場合もあります。
このような場合,労働基準法では,時間外労働や休日出勤等について労使間で協定を結び,行政官庁に届け出ることによって,法定の労働時間を超えた時間外労働を命じることできます。この労使間の協定は,労働基準法の36条に規定されていることから,36協定と呼ばれます。
行政官庁に届出をしないで時間外労働をさせると,労働基準法違反となり,罰則が課せられます(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)。
 

●   残業時間の上限規制制定の背景


労使で36協定が結ばれた場合,残業時間に関する上限の規定は,現行の法律にはありません。平成10年に当時の労働省(現在の厚生労働省)が,残業時間の上限に関する一定の指針を告示として示したものの,この告示は法的拘束力をもたないため,実際には告示で示された上限を超える長時間の残業を命じることが可能でした。
電通の時間外労働による過労死事件等,残業に関する問題が社会問題化してきたことから,現在,残業時間に関する法改正の検討がされております。
 

● 法改正案


政府は,内閣総理大臣を議長とする働き方改革実現会議の中で,残業時間の上限規制の在り方など長時間労働の是正について議論を重ねてきました。そして,本年3月28日,働き方改革の実行計画が示され,残業時間の上限については,以下のような方向性で法改正を進めることとなりました。
①原則
 月45時間,かつ,年360時間を残業時間の限度とする。
②特例
一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合には
・年間の残業時間は年720時間以内(月平均60時間以内)
・休日労働を含んで,2ヶ月ないし6ヶ月の平均は80時間以内
・休日労働を含んで,単月は100時間未満
・月45時間を超える特例の適用は,年6回を上限とする。
③実行性の確保
 上記の残業時間の上限規制の実効性を確保するため,罰則を設ける。
 

● 評価


これまでなかった残業時間の上限規制を定め,その実効性の確保として罰則を設けるといった法改正の方向性自体は,一定の評価をされております。しかし,単月100時間や2ヶ月ないし6ヶ月の平均80時間というのは,いわゆる過労死ラインと言われているもので,上限規制の時間としては不相当ではないのかとの指摘もあります。
労働基準法の改正は早くて2年後と言われておりますが,今後もその動向に注目していきたいと思います。
 

残業代に関する&A


Q.残業代ってどのように計算するの?
A.労働者が,時間外・休日労働(残業)をした場合,使用者に対して,割増賃金(残業代)を請求することが可能となります。割増率は以下のとおりです。
 

残業代の種類 割増率
通常の時間外労働 25%以上
法定休日労働 35%以上
深夜労働 25%以上
深夜+時間外労働 50%以上
深夜+法定休日労働 60%以上

 
Q.残業代の時効ってあるの?
A.残業代(割増賃金)の請求権は,通常の賃金と同様に,賃金を請求できる時から2年で時効となります。したがって,2年以上前の残業代については,使用者から時効を主張された場合,請求することができなくなります。賃金が月給制である場合,残業代も月単位で請求することになりますので,時効期間も各月ごとに起算することになります。

Q.裁判等の法的手続を経て残業代を請求する場合,残業時間は誰が証明する必要があるの?
A.原則として,労働者側が証明する必要があります。
  ただし,使用者は労働基準法,同法施行規則により,労働者の労働時間を把握しておく義務がありますので,労働時間を記録した資料がない理由が使用者側にある場合には,事実上,残業代に関する証明の程度を緩和するなどの方法が取られています。
 
Q.店長など,一定の地位・役職にある人に対しても,残業代は支払わなければならないの?
A.「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)と評価できる者であれば,割増賃金に関する規定が適用されないので,労働基準法上の残業代を支払う必要はありません。
  ここでいう,「管理監督者」とは,労働条件の決定その他労務管理について,経営者と一体的な立場にある者を指します。裁判例においては,その人の地位・役職という形式的な面よりも,業務内容,権限,勤務形態,給与・手当等具体的な面を重視して判断している傾向にあります。
 大手ファストフード店の店長の地位にあった者が「管理監督者」に該当するかどうか争われた事案において,裁判所は,従業員の採用や昇格等,労務管理の一端を担っており,店舗の損益計画や販促活動,一定範囲の支出などに決裁権限があるとしても,店舗内に限られていることから,経営者と一体的な立場の権限と責任を付与されているとは認められないとして,管理監督者には該当しない旨判断しています。
 

編集後記


今回は社会問題となっている長時間労働について採り上げてみました。日本では,企業のために自己犠牲をして働くことが美徳だとする文化があり,長時間労働が慣習化されてきました。長時間労働を是正するため,法律による規制を行うこと自体は良いことですが,自宅に帰ってから仕事を行うサービス残業が増えるのであれば何の意味もありません。このようなサービス残業をなくすために,企業側としても,業務の合理化や従業員の増員等を検討する必要が出てくるでしょう。(弁護士 江畑博之)

当事務所で発刊したニュースレターのバックナンバーです。ぜひご覧下さい。

Vol. 発刊月 メインテーマ
10 2017年8月 残業時間に関する規制の概要
9 2017年6月 個人情報保護法改正ー中小企業実務への影響
8 2017年4月 相続の基本と相続Q&A
7 2017年2月 従業員の交通事故に対する会社の責任
6 2016年12月 成年後見制度について
5 2016年10月 職場のメンタルヘルス対策,大丈夫ですか?
4 2016年8月 刑事手続きの流れ
3 2016年6月 離婚問題について
2 2016年4月 遺言を残すにはメリットがあります
1 2016年2月 これだけは知っておきたい!交通事故の注意点!


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